ポール・デスモンド🎷 「ボッサアンティグア」

こんにちは、水音です。

もう6月。夏が近づくとボサノヴァが恋しくなります。

湘南、江の島海岸の照りつける太陽を想起させるセルジオメンデス。
ちょっと気取った都会的なインストルメンタルのアントニオ・カルロス・ジョビンはシティホテルのプールサイドが似合うイメージ。
ジョアン、アストラッド・ジルベルト夫妻の歌声はちょっと気怠さが漂い、葉山のマリーナ。
ボクの勝手なイメージですがww
 
今日の水音のオススメはポール・デスモンドの「ボッサ アンティグア」。
鬱々とした雨の日でも、優しいアルトサックスの音色が心地よく、心がほっこりとする1枚です。
デスモンドはちょっとマイナーかもしれませんが、1924年生まれの彼はウエストコースト・ジャズを代表するミュージシャンの一人で、ピアニストのデイヴ・ブルーベックのグループ以外でもサイドメンとして色々なジャズメンと共演しています。
ちなみにボクが初めて彼の演奏を意識したのはCTIレーベルのジム・ホールの「アランフェス協奏曲」でです。(ちなみにCTIで一番売れたアルバムがこれだそうです。)
 
ジャズのサックスといえば、デクスター・ゴードンのアルバム「バラード」所収の「 I'm a Fool to Want You」 のような「咽び泣くテナーが王道!」という勝手なイメージがボクの中で出来ていたのですが、デスモンドのアルトの持つ伸びやかさや軽さが、流麗で主張しすぎず周りと調和して、グルーブ感というかご機嫌さはしっかりで心地よいです。
 
そしてデスモンドは、あの「テイク ファイブ」の作曲者。デスモンドの名は知らなくてもあの不思議な5拍子の「テイク ファイブ」を知らない者はいないって言っても過言ではないのでは?
そんなデスモンドはリーダーアルバムが少ないのですが、ボクはこのアルバム「ボッサ アンティグア」がお気に入りです。
 
このアルバムのトップは「テイク テン」。どこか聞いたことのあるようなと言うより、まるでパチモンみたいな曲名ww  
それもそのはず、自作「テイク ファイブ」へのアンサーソングなんですね。タイトルだけではなく、既視感ならぬこの既聴感。
コードがどうのこうのなんていう難しいことは置いておいて、それは、喩えてみるとまるでG線上で線対称になっている感じです。もちろん、譜面上の正確なものではなく、そんな感じがという意味です。
 
同じアルバムに所収の「東9丁目の女 」。曲名はまるでハードボイルド小説に出てくる事件の重要な鍵を握るコールガールみたいですが、原題は”The Girl from East 9th Street”。
そう、アントニオ・カルロス・ジョビン(作詞はヴィニシウス・ヂ・モライス)の「イパネマの娘 (The Girl from Ipanema)」にインスパイアされた曲だとか。
イパネマはリオにあるブラジル一の美しい浜辺。モライスの歌詞は、颯爽とイパネマの浜辺を歩く、とても素敵な長身の美少女エロイーザ(実在の人物)への想いを謳っています。
となるとこの「東9丁目の女」はどんな女性なのでしょうか。
東9丁目はニューヨーク、マンハッタンの一角。Googleストリートビューで見てみると、写真、スタジオ、照明、ギャラリーなどアート関係のお店が建ち並んでます。
かつてのイパネマビーチの美しい娘は、今はニューヨークでブロードウェイを目指す、オフブロードウェイのバックダンサーなのかもしれません。
そんな妄想逞しく聴いてみるのも一興かも♪
 
テナーサックスのスタン・ゲッツもボサノヴァを多く演奏していて好きなミュージシャンの一人です。夏本番はこれから。彼の事はまたの機会に。
 

今日もお店には銀月クンが遊びに来てくれました
ボッサ アンティグア
テイク テン
東9丁目の女